矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について
2018年に改正された厚生労働省の医療広告ガイドラインでは、矯正歯科治療などの自費診療に関わるリスクや副作用を情報提供することが求められています。
矯正歯科治療では多くのメリットがある一方、下記のような一般的なリスクや副作用がございます。リスクや副作用を恐れるのではなく、正しく理解をすることで、安心して矯正歯科治療が受けられることが大切です。
当院では矯正歯科治療を始める前にリスクや副作用についても十分にご理解をいただいた上で、治療を進めさせていただいております。詳しく説明をお聞きになり、十分ご理解頂いた上で、どのような方法を選ばれるかを慎重にご判断いただきたいと考えています。
ご不明点やご不安なことがありましたら、お気軽にご相談ください。
- お口の中に矯正装置が入ると歯が磨きにくくなり、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。そのため、ご自宅でのブラッシングを丁寧に行うことや歯科医院でブラッシング指導などの定期的なメンテナンスを受けることが重要となります。また、歯が動くと隠れていたむし歯が見えるようになることがあります。
- お口の中に矯正装置が入ると、不快感や、痛みを生じることがありますが、通常、数日から1週間ほどで慣れることが多いです。また、装置に口腔粘膜があたることにより口内炎ができることがあります。
- 歯の動き方には個人差があります。そのため、予想された治療期間が延長する場合があります。
- 矯正装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院など、矯正治療には患者さんの協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に大きく影響します。
- 矯正治療では歯並びを整え、かみ合わせを改善するために、やむを得ず健康な歯を抜くことがあります。
- 硬い骨の中で歯を動かすことにより、歯の根っこが吸収してやや短くなることがあります。また、歯茎がやや下がることがあります。
- 治療中に「顎関節の痛み・音が鳴る・お口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。その程度によっては専門的な処置を要することがあります。
- 治療中に歯の形を修正したり、かみ合わせの微調整を行ったりすることがあります。
- 矯正装置を外した後、保定装置を指示通り使用しない場合や、固定の針金が外れたままにしておくと後戻りが生じる可能性が高くなります。また、舌突出癖などの悪習癖があり、癖のコントロールが難しい時は、矯正装置を外した後、後戻りしやすいことがあります。
- 矯正装置を外した後、その時点のかみ合わせに適した状態のかぶせ物 (補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす必要性が生じることがあります。
- 装置を外す時にエナメル質に微小な亀裂が入る可能性があります。また、かぶせ物の一部が破損することがあります。
- ごく稀ではありますが、歯が骨と癒着していて歯が思うように動かないことがあったり、歯を動かすことにより歯の神経が障害を受けて失活することがあります。
- 何らかの要因で矯正装置が外れたり、その装置を誤飲する可能性があります。
- 発育期の治療では顎の発育や歯の交換によって、初診時には解らなかった新たな問題が発生することがあります。
- 治療後に親知らずが生えて、前の歯を押すことにより、歯並びに多少の変化が生じることがあります。また、顎の成長発育、加齢などの経年的変化や歯周病などにより、かみ合わせや歯並びに変化が生じることがあります。
- 様々な問題により、当初予定した治療計画を変更することがあります。
- 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。